2013-09-02

 試験はそこまで難しくなかった。過去問とそっくり。さすがに休みをひと月も挟むとみんな忘れているだろうということで難易度を下げてあったのか。これで前期残したお荷物はあと通年科目のレポートだけ。すべて提出前夜に片付くであろうものばかり。

 考えたことがあったのだ。無人島の話だ。彼女たちはそこに楽園を描いた。それらしく象られた典型的な絶望や希望を経験させられ、都合よく使われ、しかし彼女たちは幸せだと言う。これは何の寓意でもない。事実として、そこに物語があって、呆気無く食い散らかされた。私はその光景を隣で眺めており(半ば強制的に)、しばしば吐き気を催しながらも、顛末を見届けた。

 地球の反対側で苦しんでいる人のために必死になれる人が、今ここで描かれたストーリーのためにも必死になれるかというと、そんなことはありえない。物語は虚構であり実体を持たないが故に、私たちは直接働きかけることができない。でも何か、そうか、それは私たちが私たちを満たすために必要な栄養素であって、決して廃れることのない文化なのだ。人間が人間である限り、おそらく永遠に。

 

では。

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