2013-11-11

 ひどく眠く、結局大学には行かなかった。怠惰だ。課題が溜まった。夕方からアルバイトに向かった。

 課題や責任に追われる日々は、それを達成して得られるであろう対価の存在を信じることで維持される。報酬や経験の絶対量。演繹的に推測される期待値。あるいは諦念や妥協。潜在的な事実を実現させるという一連の行為を支えるのは、理想と現実の折り重なった歪な楼閣。強い風が吹けば、脆くも崩れ去る。

 それにしたって作業が面倒で、解決するかもわからない努力目標としてのサービスの安定を高望みしなくてはならない。しかし企業理念としては私は全き同意することができない。善とお金とプライドという三つの要素を全て望むことはできず、どれか一つを捨てなくてはならない。

 

 違うと彼は言った。僕らには明るい未来など待っていないと取り繕った口調で主張した。悔しそうだった。僕にはそう見えた。そうかもしれない。でもそうじゃないかもしれない。明言は必要ない。簡単に言えば、明るい未来は全員にはやってこない。多かれ少なかれ暗い人生を歩む人はいる。その暗い道を選ばなくてはならない人が、僕らの未来においては今より多いかもしれない。そうだとしても、少なくても明るい未来を選べる人はいて、僕らはその明るい未来を強い意志で掴まなくてはならない。僕らはその位置にいるだろう。そう僕は返した。僕らには自信があった。過信かもしれなかったが、能力もあった。友人にも恵まれていた。実績だけがなかった。しかしそのことを思い悩む必要はない。僕らはまだ若く、それは努力していれば気づかぬうちについてくるものだろうから。

 空は曇っていて、強い風が吹いていた。小さな嵐が訪れていた。もうじき風は止み、晴れて星空が見えることだろう。僕は隣に座る友人に目をやった。彼は缶コーヒーの成分表示をのんびりと眺めていたが、その内容は頭に入っていないようだった。

 肝心なことを言おう。たとえばお金を稼ぐのは、幸せになるための手段であって、本来的にはそれ自体が目的ではない。しかしお金を稼ぐということは容易なことではなくて、それ自体を目的としなくては生活することもままならないことがある。これは手段だからと気を抜いていては何も成せないという意味だ。だから僕たちは必死になって働かなくてはならないし、お金を稼ぐために知恵を絞らなくてはならない。そのこと自体が幸せを構成する要素の一つになる人だっている。知恵を絞るのは楽しい、自分の努力が評価されるのは嬉しい。そうして得られた報酬で家族を幸せにすることが、それに勝る幸せであって欲しいとは思うのだけど。

 手段が目的にすり替わる、というのはどの構造にも存在する。例を挙げればきりがない。人文科学だってそうじゃないかと思う。広く言えば学問だってそうだろう。最終的な目的とは一体なんだろう? 自身の幸福、愛する人の幸福、社会全体の功利、あるいは真理の探究だろうか。人それぞれで違う。全てに当てはまる人も、一つだけ当てはまる人もいる。こうした目的設定は個人の無意識の奥深くで人の行動を規定しているに違いない。

 

 甘い匂いがした。過敏に反応する。コントロールが下手なのだ。言葉は出てくる。さまざまな音や単語があふれてきて頭の中を満たす。それらは意味のある結合体を作らず宙に浮いたままになる。思いついたことを次々に出力していっても、単なる記号の羅列にしかならない。辛うじて文章になったとしても、論理性を持つことはない。つまり論理的な文法を司る能力が弱いらしい。本を読んで脳を刺激し、何か言いたい書きたいと思い立ち、いざ何かを出力しようとすると詰まってしまう原因はそこにあるようだ。

 今までjavascriptのコードを読んでいて":"と"$"の意味がわからなかったのだけど今ぐぐってあっさりわかった。jQueryを使うほどきちんとしたものを書いたことはないし、うーんというか自分でまともに動作するものを作ったことがないのはつまらないから「ダジャレ判定bot」を作ってみようかという話をしたのだった。ということで自然言語処理の資料を探していたら、オライリーの『入門 自然言語処理』の日本語を扱った章がライセンスフリーで公開されているのを見つけた(http://nltk.googlecode.com/svn-/trunk/doc/book-jp/ch12.html)。なんてことだ。やることが増えた。というか私はC言語数値計算を必死こいてやる必要があるのだろうか(少なくとも今はないんじゃないか)。

 やることが増えたと言っても、こういうのは長い時間をかけずに数分で内容を把握するような読み方をしたほうが絶対に効率が良いに違いない(何かに出力する必要があるときだけ精読し、あとはいきなり実用段階に移行したほうが性に合っている)。英語のpdf、たとえばDavid Chalmersの"Facing Up to the Problem of Consciousness"を読もうとして3行でやめてしまったり(英語は時間がかかるけど日本語より意味が把握しやすいとは思う)して自分の飽き性を呪う。

 

では。

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